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🍺『色々すごい』ビール

藤田 陽司

前回の記事で、世界の水不足事情を知りたくなって、シンガポールに行きつきました。

シンガポールは国土が小さく島国で、かつ諸外国に囲まれているため、自国で十分な水源を確保することが困難な状況。

以前藤田が現地視察に行った2011年、既に水資源についての危機感を現地の方が語っていました。

隣国マレーシアからの水源をアテにしているが、それだけでは平時でも交渉優位に立ちにくく、さらに万が一の有事の際には枯渇の恐れがあるため、抜本的な対策が必要であると。特に飲料水は深刻かと想像されます。

あれから12年、現在のシンガポールは水不足解消のために4つの主要な方法を採用し、安定した水供給を維持することができています。


  1. マレーシアからの輸入 マレーシアのヨホール州から、マレーシアとシンガポールの国境を越えて輸送されています。

  2. 海水からの淡水化 海水淡水化プラントを建設しており、プラントで海水を浄化し、飲料水に転換することができます。

  3. 雨水を収集~浄化 雨の多い地域であり、雨水の収集が行われています。雨水は貯水池で集められ、浄化された後、飲料水に転換されます。

  4. 下水利用 家庭や企業からの下水を浄化~新しい飲料水として再利用しています。この水は「NEWater」と呼ばれ、高度な技術により、非常に高品質の飲料水を生み出すことができます。

しかも、このNEWaterを使ったクラフトビール「NEWBrew」を2018年より販売し、美味しいと評判で昨年新作が発売されたとのことなのです。

「NEWBrew」の紹介動画はコチラ


NEWBrew

これには、藤田のドメスティックな価値観をやられてしまいました。

前回紹介した日本のスタートアップ「WOTA」は、自宅もしくは同施設内の排水を手洗いに使用できます。が、飲用は想定していないとのことです。

NEWaterは飲料水だけでなく、ビールとなり製品として販売しています。


ここからパーパスの話になります。

お国の事情により、ムーンショットの角度や高さは変わってくる、という良い事例のような気がしています。

どちらかを批判しているのではなく、出発点は似ているが、そのニーズの深さや方向によってパーパスも変わって来て、製品も変わってくる、ということに気づいた次第です。


水不足の解消

世界的に、水不足は現在、深刻な問題となっています。

世界の人口の約40%が、水不足に直面していると推定されています。

衛生的な水を得ることができないため病気になってしまったり、水の奪い合いによる争いを引き起こしたりしています。

シンガポールの取り組みやWOTA、その他国内外ベンチャーによる様々な解決策が新規事業により提示され、水不足が解決される未来が、人類全体のパーパスと言えるのかもしれません。

 

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