「ファンをもっと集めたい」
こう考えている方々は数多くいます。
有名無名のアーティスト、地下アイドル、YouTuber、キャラクタービジネス・食品販売などの事業者…。
さらに、昨今のファンマーケティング系の考え方からBtoB製造業などでもファンを集めて価値を高めることの重要性は認識が広がっていると思います。
その認識を更に解像度高く表現した概念が「ブランド人格」と言えます。
「ブランド人格」の概念は書籍となり分かりやすく示されております。
詳細は本書を読んでいただくとして、
ここでは少し異なる視点で、以下を少し深堀してみたいと思います。
「ロングセラーブランドに見る共通項」
本書だと第5章に書いてある内容ですが、ここではブランドが十分に確立しているいくつかのロックバンドを比較してみたいと思います。
ビートルズ
ローリングストーンズ
X Japan
知らない人はいない、ブランドの確立しているバンド3組です。
それぞれ活躍した時代、範囲が違うため、「今」に絞った考え方でいきます。
ビートルズ
明確なコアベネフィットは、既存ファンと新規ファンに向けて、音楽を中心とした知的体験(音、テキスト、アート、デジタルコンテンツ)を誘発させること。
すでにある216曲とデビュー前のカバー曲や過去の活動を後追いすることで新たな発見ができるのが現代のビートルズコンテンツの大きな魅力。仏教的にいうと今の一瞬以外は常に過去なので、音楽鑑賞は常に過去を見ることと言え、ビートルズを体験することは「昔は良かった」的考えでは全く無く、YOASOBIやTWICEと同列に語られるべき。今・過去というように音楽を区切らず全て楽しむこと、大海を泳ぐことこそ、ポップ音楽の最大の楽しみです。
当時も今も真似のできない革新的な録音技術、メンバー4人とその周辺の重要人物の確立されたキャラクターもブランドが長く続く秘訣と言えます。
ローリングストーンズ
ビートルズと同世代バンドながら、まだ現役であるということが最大の魅力であり特異性を有しています。コアベネフィットとしては、「メンバーが愛しロック的に解釈したブルースの体現、そして維持、世界への浸透」。大規模スタジアムコンサートを通じて優れたコミュニケーションを構築し、ファンによって支えられています。
音楽性も一貫性があり(どれも似た曲になってしまうというのは、ブランドの観点からは弱点ではありません)、顧客との関係性をますます強化していっている貪欲さが感じられるマーケティングを展開しています。
X Japan
圧倒的寡作だが、「紅」に代表される楽曲の美しさや激しさで常に思春期の若者の中の一定の割合からの指示を受ける要素を持っています。
だからこそYOSHIKI他メンバーの悲劇や確執、無軌道な活動もブランドを高める大きな要因となっていると考えられます。
…キリが無いので今日はこの辺でやめます。
「ブランド人格」をバンドに例えてみました。
無理があったかな。
補足:
ちなみにこの「ファン」という言葉、
特定の人物や事象に対する支持者や愛好者のこと。「熱狂的な」を意味するファナティック(英: fanatic)の略。
同時に、扇、うちわ、扇風機も表わす言葉でもあります。
「熱狂する」=「風を起こす」という意味では同じ言葉なのかな、とも思います。
日本語では古来、ファンのことを贔屓(ひいき、贔負とも)と言っていました。
この贔屓の語源が
「盛んに力を使う」
「鼻息を荒くして働く」
を意味する古中国語の「贔屓」(ひき)。
鼻息を荒くするのも一種、「風を起こす」ということか…。
と「ファン」と「贔屓」の共通項を見つけ、少し興奮して鼻息荒くなった次第です。
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