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パワーポイントをめぐるクリエイターズ・マニアック・トーク

  • 執筆者の写真: 小越 建典
    小越 建典
  • 3月12日
  • 読了時間: 5分

パワーポイントをめぐるトーク

パワーポイントをキレイに作れる人、「仕事できるなあ」という目でみてしまいませんか? ある程度テンプレートも揃っているので、デザインセンスは不要なのですが、ちょっとしたところで見栄えを損なったり、ぐっとわかりやすくなったりします。

クリエイターは、どんなところにこだわってパワーポイントを使っているのか?cte.のデザイナー梅林と山崎、ライターの小越がこだわりを語ります。



デザイナーはパワーポイントの「字切れ」にこだわる


梅林 仕事では主に、「インデザイン」や「イラストレーター」など、DTP、デザインの専用ソフトを使っています。そんな立場から、パワーポイントで気になるのは「字切れ」です。テキストボックスに文章を流し込むと、段落の最後で1〜2文字の行ができてしまうことがあります。インデザインでは、文字間隔をうまく詰めたり広げたり、自動で調整できるのですが、パワーポイントにその機能はありません。

このちょっと余る状態が美しくない。完全なテキストファイルだと許されるのでしょうが、パワーポイントはビジュアル表現なので、デザイナーとしてはこだわってしまいます。


小越 い、いきなりマニアックなところから来ましたね! でも、よくわかります。紙媒体をつくっていると、気になるところですよね。私も、以前雑誌を書いていたときは、必ず行の7割程度が埋まるように文章と段落を調整していました。


梅林 パワーポイントでも、できれば文章量を調節するなり、改行を入れるなどして、アンバランスな空きスペースができないようにすると、読みやすいですし、かっこよく仕上がると思います。


小越 パワーポイントは、デフォルトの設定だとちょっと使いづらいところがありますよね。たとえば、行間は初期の1行ではなく、1.2〜1.5行に広げたほうが読みやすいです。

スライドづくりは「階層化」が9割


小越 コンテンツの専門家としては、情報の階層がすごく気になりますね。パワーポイントって文字サイズやレイアウトを自由に調整できますから、ちゃんと階層を意識していないと、まとまりのない資料になってしまいます。

見出しのサイズがバラバラだったり、箇条書きのスタイルが違ったり。左右揃え/中央揃えが混在しているのも、すごく気になります。そういうスライドは、見た目だけでなく、大抵中身もとてもわかりづらいんです。


梅林 私は、パワーポイントなどの情報をもらって、雑誌やパンフレットに加工することがあります。ある程度、内容を判断して階層化するのですが、元資料からそれがわからないときもあるんです。自分で階層化したり、問い合わせて整えるのですが、それがないと読者を混乱させてしまいます。


小越 思いの丈を表現しようと思うと、そうなっちゃうんですけどね。でも、人に伝わらなければ意味がありません。


梅林 10枚以内の短い資料なら、それぞれのスライドが整っていれば良いと思うのですが、長い資料では階層が整っていないと大変です。


小越 私は短くても、階層を厳格に意識したほうがよいと思います。話があちこちに飛ぶ人って、いるじゃないですか。階層がないと、そんな感じの資料になってしまうんです。

「言いたいことを階層化する」ではなく、「階層を決めてから言いたいことを当てはめる」くらいが、ちょうどよいです。そのために、あらかじめ階層別にパワーポイントのスタイルを決めておくとよいですね。

見出しは、本文のスタイル(サイズやフォント)は一つに統一。文字列、図形の配置は、揃えたほうが良いと思います。プレゼンのスライドなら中央揃え、ホワイトペーパーなど読ませる資料なら左揃えがおすすめです。

●階層の例 フォント…MSゴシック

カラー…黒+メインカラー一色(コーポレートカラーなどがおすすめ)

見出し…大見出し(20pt/ボールド/メインカラー)、中見出し(16pt/ボールド)、小見出し(12pt)の3階層

本文…10pt

レイアウト…中央揃え(プレゼン)/左揃え(資料)


一発で見出しのスタイルを呼び出す裏技


山崎 事前に階層をつくるには、スライドマスター(すべてのスライドに共通する書式やレイアウトを設定できる機能)で指定するとよいです。私はインデント機能を使って、一発で見出しのスタイルを指定できるようにしています。


小越 どういうことですか?


山崎 スライドマスターで、あらかじめ大見出し、中見出し、小見出しの色やフォントを決めてしまいます。


小越 そこまではわかります。


山崎 そのとき、インデントを1回かけて大見出し、2回かけて中見出し、3回で小見出し、と指定します。そのままでは、字下げしたまま反映されてしまうので、右クリック→段落設定でインデントを「0」にします。左揃えや右揃えもスライドマスタで設定すれば、インデントに反映されます。


梅林/小越 おおっ、すごい!


小越 これなら、すぐに見出しを呼び出せるじゃないですか。箇条書きのスタイルを揃えるときにも使えますね。いままで、テキストボックスをコピーしたり、サイズや色をその都度指定してましたよ。これ、おすすめです!!




パワーポイントをめぐるトーク
スライドマスターの見出し設定画面

パワーポイントをめぐるトーク
スライドマスター上でインデントごとに書式を設定する

パワーポイントをめぐるトーク
右クリックで「段落」を開く。「インデント」→「テキストの前」を「0」にする

パワーポイントをめぐるトーク
左揃えに設定

パワーポイントをめぐるトーク
中央揃えに設定


パワーポイントをめぐるトーク
標準の編集画面。インデントを1回押すと大見出し(赤字)、2回で中見出し(明朝)、3回で小見出しのスタイルが適用される

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