感性の仕事術
- 小越 建典

- 2025年5月14日
- 読了時間: 3分

初めて働いた会社での経験は、何年、何十年も経っても、自分の中に残っていませんか? そのころ出会った仲間とも、長く付き合っている人は多いでしょう。
cte.の近藤浩司は、新卒でアパレルの商社に入社し、多くを経験しました。当時の同僚で、今も大切な友人となっているのがアパレルプランナー&デザイナーの小松左京さん。アパレルブランド「BUDO」の創業者です。

自分がほしいなら、つくっちゃえ!
BUDOは『このまま走り出せる』『このまま会いに行ける』をコンセプトとするランニング・トレイルランニング&アウトドアウェアブランドです。「こんなランニングウェアがあったらいいな、と思うものをデザインしています」と小松さん。自身のランナーとしての体験、感性を反映した商品ばかりです。

小松さんは、デザイナーの鈴木真穂子さんと、レディースブランド「NAVY.WO」を、18年間にわたり運営してきました。こちらは自分が着るものではなく、プランナーとしてトレンドやニーズを客観的に分析、判断して、商品を企画しています。
一方BUDOは自身がユーザーでもあり、ほぼ100%主観を頼りにしたものづくり。「同じことを考えているランナーは、多くはないかもしれない。でも、『いいや、やっちゃえ!』という感覚で、つくっています」と小松さんは言います。仕事のおもしろさ、そして人気の秘密は、まさにここにあるようです。
かゆいところに手が届く
BUDOの誕生は2020年のコロナ禍、店舗の休業などが強いられた状況下で、NAVY.WOの通常運営がままならないなかでした。同じく困っている工場に少しでも仕事を出したい、もちろん自社の売上も確保したい。そんな思いでブランドを立ち上げると、思いの外、大きな反響がありました。
一般的なスポーツウェアのような見え方や派手さがなく、街に馴染むスタイルと機能性が特徴です。象徴的なのは、こちらのデニムのショートパンツ。一見ランニングウェアに見えず、電車に乗っても、カジュアルなお店に入っても、違和感のないつくりです。

それでいて、ランニング時の動きやすさと、破れにくさが追求されています。小松さんが趣味で続けているトレイルランニングでは、岩場や不整地でお尻をつくこともあるため、丈夫なパンツが欲しかったといいます。また、生地は天然素材なので、万が一山で一部が破損して落ちても、土に還ります。
ほかにも、汗や雨で濡れても身体に張り付かないシャツ、マスクがかけられるフック付きのパンツ、ポケットに入れられるキャップ(水をかぶったときなどに便利)など、いわゆる「かゆいところに手が届く」アイデアの商品をラインアップ。いずれも過剰な在庫を持たない予約販売で、ニーズに確実に応えながらも、ロスを出さないサステナブルなプロセスを採用しています。
AI時代にこそ感性を磨こう!
BUDOのウェアには、街から山を走るなかでも「こうだったらいいな」の実現と、自然に対するリスペクトが込められています。個人のパッションを起点に、けれどユーザーを巻き込み、心を動かすストーリーがあるんです。どんなジャンルにも通じる、商売の極意ではないでしょうか。
実績やデータをもって客観的に判断することは、もちろん大切。ですが、AIが進化し拡大する時代では、人間は感性を磨く必要があるのかもしれません。
小松さんは、はじめてトレイルランニングで山に入った時、「土の色」に感動したと言います。同じように見える地面でも、日当たりや湿度、天候によって、まったく色彩が異なることに気が付きました。自然の中に身体ごと飛び込むからこそ、研ぎ澄まされる感覚があるのです。
時には今いる環境を飛び出して、全く違った視点で世界に接したいものです。
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