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楽しい!のスゴいパワー

  • 執筆者の写真: 小越 建典
    小越 建典
  • 6 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:5 日前

楽しいのスゴいパワー

新卒で入社した大手人材サービス企業では、営業部門に配属された。はじめのうちは最下位だったが、努力して成績上位のセールスパーソンに。 その実績と経験を元に立ち上げた営業コンサルティング会社を、奥田はわずか1年で大きく事業転換した。 結果は残してきたし、売上も悪くない。けれど…


営業マンとしての奥田は「上位」ではあったが、「トップ」ではなかった。そして同業には、錚々たる会社でトップを張っていた営業マンがごまんといる。自分がやるべき仕事ではないと思った。


奥田が大きな影響を受けた山口周は、「他人と比較して際立って長い時間を投入した活動」を、武器にせよと説く。自分の場合、誰よりも時間をかけたことは何だ?


「人を楽しませる」ことだ。


小学生のころからみんなを漫才で笑わせ、運動会では応援団長もつとめた。社会人になってからも、1年目から忘年会の司会を担当して盛り上げた。生粋のエンターテイナーなのだ。 営業の仕事では、売上でトップをとれなくても、顧客の継続率は高かった。人を楽しませ、相手の役に立つことで信頼を勝ち取り、共存共栄の関係を築いていた。


そんな奥田が営業の次に選んだ舞台は、組織文化のコンサルティングだった。


ミッション、ビジョン、バリューの策定、リニューアルを軸に、カルチャーを改善、再生させる多様なサービスを提供する。主な対象は従業員数100〜200名程度の中小企業で、トータルの費用は1000万円を超えることが多い。 売上や利益へ直接的に結びつかない分、営業コンサルより、ずっとハードなビジネスモデルかもしれない。


想像してほしい。


30代の青年が、突然現れて「御社のカルチャーを変えたいんです」と語る。聞いているのは、何十年とその会社で働き、酸いも甘いも噛み分けてきたベテラン社員たちだ。常識的に考えて、誰が協力するだろうか?


しかし、結果的にカルチャーは変わる。みんな奥田に協力し、進んで変わろうとする。それを可能にするのが、奥田が人生のなかで長い時間を費やした「人を楽しませる」力なのだ。


彼のワークショップには、膨大な理論の背景があるが、いきなり押し付けたりはしない。まず参加者を大いに笑わせ、盛り上げ、驚かせる。エンタメのなかで学びを提供するから、参加者は心を開き、自然と受け入れる。


多くのクライアントがエンゲージメント指数(組織と社員との関係性、組織に対する愛着心を表す指数)を高め、これまで途中解約は一件もないという。社員たち自身がプロセスを楽しんでいるから、数字だけでなく実感として、カルチャーの変化を確認できるのだろう。


今、奥田は「あさげの会」という経営者交流会を開催している。美味しいおむすびをいただきながら、ともに学び、経営者同士が関係を深めた結果、ビジネスに発展することも少なくない。


なかには、「何でも良いから奥田と仕事がしたい」と、依頼する業務を決める前に予算をとってしまう経営者もいるという。


まずは、人を楽しませ、相手の心を開き、学びを提供した上で、自分の機会を得る。奥田は真骨頂を存分に発揮し、既存の枠組みにとらわれない、自分だけのビジネスを拡大している。


【本当の強みを知る】

奥田さんは、事業転換の理由として、「情緒的マーケット」の可能性を挙げています。これだけ社会システムが整い、今後AIの活用も進むことを考えると、効率や生産性の追求で特別な価値を生むビジネスは、むしろ難しくなります。

「いかに人の感情を動かせるか」が、人の価値になっていくでしょう。その方法は、奥田さんのようなエンタメ性だけではないはず。企業としても個人としても、「長い時間を投入した活動」×「感情・情緒」が、貴重な道標になると感じました。



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