「確動力」とは? その先にある世界と未来
- T.Mariko
- 23 時間前
- 読了時間: 7分

みなさま、約7か月ぶりの「GUTs×社長」の発信となりますが、 大変お待たせいたしました。
本年も、本コンテンツでは素晴らしいスペシャリストをお招きしてまいりますので、 よろしくお願いいたします !
2026年最初のご登壇となるのは、株式会社SAKIGAKE JAPAN代表取締役・CEO、近藤 宗俊さんです。
近藤さんが代表を務められる、SAKIGAKE JAPANは「地球規模での安全と繁栄を実現するビジネスを創出し、その力を活用して、持続可能な人類の未来を実現する」という理念を掲げ、防災・環境適応技術を世界に広げる“先駆け”となるべく、2023年よりスタートした会社です。
本日はそんな日本における防災事業の先駆けを展開される近藤さんに「防災と日本。そして、世界とAI時代」をテーマに、お話を伺いました。
先駆者として。世界で求められる、日本の防災テクノロジーとレジリエンス
日本の防災に関する力は、本当にすごいと感じています。
私は大学で環境学を学んでいましたが、その頃から、「自分にできることは何か、社会にどう関われるのか」を考え続けてきました。
その中で行き着いたのが、より人々の生活に近い場所で、実際の反応を感じながら実現できる取り組みでした。その延長線上に、今の事業があります。
日本ではあまり意識されていませんが、防災は国際的に見ると、日本が長年リードしてきた珍しい分野です。
日本の防災テクノロジーや運用の考え方は、海外では高く評価されています。
実際、防災に関する国際規格の中には、日本人が関わって策定されたものも少なくありません。
世界各地を訪れ、SAKIGAKE JAPANの事業として活動する中で、日本が積み重ねてきた知恵や技術が、災害のあとに社会を立て直していく力として強く求められていることを実感しています。
日本における、これからの防災に求められる課題
私は、これからの防災分野においてまず必要とされていることは、「データ化」、「ネットワーク化」、「標準化」の3つだと思っています。
たとえば、備蓄されている物資の中身や保管場所が正しく把握されていなければ、いざというときに活かすことはできません。また、広域災害が発生した際、防災対策が地域ごとに完結していると、横の連携がうまく機能しない場面が出てきます。
だからこそ、情報をきちんとデータとして整え、地域の枠を越えてつながるネットワークを持ち、 平時から共通の前提で動ける状態を標準としてつくっておくことが重要になります。
防災を特別なものとして切り離すのではなく、日常の延長線上に置いておく。
その意識が、災害時の動きを大きく左右すると感じています。
世界との協力関係にみること
海外から学ぶことも多くあります。
たとえば台湾では、テクノロジーを活用して、災害時に「誰が、どこにいるのか」を把握できる仕組みが整えられています。こうした取り組みは、日本にとっても非常に参考になるものです。
日本が災害の経験を通じて培ってきた技術や考え方を世界に広めていくことは大切ですが、それは一方的に伝えることではありません。各国と協力しながら、お互いに学び合い、より良い形を探していく。
その姿勢が、これからの防災には欠かせないと感じています。

環境適応技術を世界に広げる
私たちは防災の分野に限らず、国や地域の環境に沿った技術提案にも取り組んでいます。
たとえばサウジアラビアは、突発的な自然災害は比較的少ない国ですが、気候や土地といった環境固有の課題を抱えています。そうした背景を踏まえ、防災という枠組みに閉じるのではなく、その土地で暮らす人々にとって、日常的に価値を持ち続ける技術を提案していくことを大切にしています。
状況によっては、他社の開発事業と連携しながら進めることもありますが、目指しているのは「導入して終わり」ではなく、地域の中で使われ続ける形をつくることです。


これからの、AI・テクノロジー時代に考えること
「何を実現したいのか」「どうありたいのか」。そうした思いや方向性がなければ、どれだけ高度な技術があっても、本当の意味で活かすことはできません。
だからこそ、人が一人ひとり、自分なりの軸やアイデンティティを持つことが、ますます重要になってくるのではないでしょうか。
違和感を抱え続ける、という姿勢
だからといって、私は何かに対して強く主張や反論するタイプではありません。 むしろ、日々の中でふと感じる小さな「違和感」を、大切にしています。
たとえば「防災は事業として難しい」と言われることがあります。そんなとき、その場で否定したり反論したりはしません。ただ心の中に、「本当にそうだろうか?」という引っかかりを残します。
その違和感をすぐに言葉にするのではなく、考え続け、行動を重ねていく。そしていつか、「そうじゃなかったでしょう」「実は、こんなやり方もある」と、結果で示していく。
そのプロセスを、私は大切にしてきました。
もう一つ、私が大切にしているのは、自分と違う意見を持つ人を決して否定しないということです。
考え方の違いを排除するのではなく、その背景や立場を尊重する姿勢こそが、新しい気づきや選択肢につながると感じています。
弊社が取り組んでいる「日本の防災を提案し広げる」という活動にも通じることですが、日本人は、自分の意見を強く主張するのが苦手だと言われることがあります。けれど、否定ではなく肯定的にとらえてみると、日本人の「じっくり考える」「つつましやか」といった性質は、とても良い面でもあります。
防災の現場においても、そうした“日本人的”とされる特性から生まれる行動が、冷静な判断や協調的な対応につながり、結果として日本は「災害に強い国」、つまり高いレジリエンスを持つ社会だという評価を得てきたのだと思います。
尊重と肯定、そして逆から物事を見る視点。 私は、こうした考え方を大切にしています。
「確動力」という、アイデンティティ

私の父は公務員で、起業と直結するような家庭環境ではありませんでした。ただ、父からよく言われていたのが、「それは、自分にとって本当なのか。よく考えろ」という言葉です。
「○○さんが言っているから」とか、「一般的にはそう考えられているから」。そんな考えにとらわれず、流されず、「自分で、よく考える」ことが大切だと思っています。
この考え方は、今の私の行動の軸にもなっています。
それから、私が大切にしているのが、「確動力」という考え方です。
計画を立てるだけで終わらず、必ず動く。 そこで見えた課題を受け止め、学び、修正し、また動く。
そうした積み重ねを通して、確実に前に進んでいく力。それが、私にとっての「確動力」です。
「私は、失敗したっていいと思っているんです」
この過程では、失敗と呼ばれる出来事に出会うこともあります。ただ、それが致命的になることは多くありません。むしろ、次に進むための材料になることがほとんどです。
注意を払いながらも、まずやってみる。失敗にとらわれず、やり続ける。
その積み重ねが、結果として大きな前進につながる。そう信じて、これまで歩んできました。
風化しない、「災害の過去(経験)と未来」に向き合う
被災された方々からは、「災害の記憶を風化させないでほしい」という声を多く伺います。
その声に向き合う一つの方法として、私たち社会全体が「災害のあった現場をどのように公開し、伝えていくのか」について、日本でもより深く考えていく必要があると感じています。
慎重さはもちろん大切ですが、過去の経験を未来につなげるために、向き合い続けることが重要だと思います。
東日本大震災から15年を迎える今。読者のみなさんに発信したいこと

防災を、特別なものとして構える必要はないと思っています。 日常の中で、楽しみながら自然に備えていくことが、結果として一番強い防災になります。
非常時のためだけに用意したものが、いざというときに使えないこともあります。
だからこそ、日常と非常時を切り分けず、普段役に立っているものがそのまま非常時にも機能する。 そうした考え方を「フェーズフリー防災」と呼びますが、まさにこれからの防災には、この視点が求められていると感じています。
ぜひ、ご家族や身近な人たちと、日常の延長として防災について話し合い、備えていただけたらうれしいです。
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