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  • 小越 建典

自然との関わりを考える


ミツバチテック

ミツバチは、私たち人間の生活に欠かせない昆虫です。その恵みは、ハチミツだけではありません。世界の食糧の90%を占める100種類の作物のうち、なんと70種以上がミツバチによって受粉されていると言われています(2011年国連報告書)。 そして今、そのミツバチが世界的に減少し、農業に影響を与えています。この問題にユニークなアプローチで挑む、2つのイスラエル企業を紹介しましょう。 BEEWISE社は、地球初の「ロボットハチの巣」を開発しました。太陽光発電で稼働するボックスをミツバチの生息地に設置、AIとロボットが気温や湿度、害虫駆除など群れの成長する条件を整えます。これにより、蜂の巣のリモート管理が可能に。いわば「養蜂のDX」です。 もうひとつは、BloomX社の「生物模倣ソリューション」。AIとロボットで人工的にミツバチの働きを代替して、農作物の花が確実に受粉することを助けます。同社のマシンは、アームで作物の茎を振動させることで、ブルーベリーの花粉を媒介するマルハナバチの羽ばたきを再現します。 また、受粉に最適な時期を予測するアルゴリズムも提供しており、受粉プロセスを効率化します。同社によれば、収穫量が最大30%増加するほか、農作物のサイズを大きくしたり、果実の賞味期限を伸ばすこともできるとか。 自然の恵みを維持するのか、テクノロジーで自然を代替するか。BEEWISE社とBloomX社は対象的なアプローチです。 ミツバチの減少には、温暖化、大気汚染、養蜂家の減少、農薬、電磁波の影響など、さまざまな原因が指摘されていますが、その実態は明らかになっていないだけに、さまざまなアイデアが考えられます。これからの農業の進歩や人と自然の関わりを見る上で、"ミツバチ"はよい視点になるかもしれません。 BEEWISE社 https://www.beewise.ag/ BloomX社 https://www.bloomx.ag/

 

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