台湾のスタートアップ「Qofii」のビジネスは、「職人技」の未来の可能性を示しています。
同社が開発するのは、バリスタのノウハウをデジタル化するコーヒーマシンです。バリスタがマシンを使って実際にコーヒー淹れると、内部のセンサーが、水の量や温度、豆の挽き目の粗さなどを計測して、レシピをデータベースに保存します。そして、いつ、どこでも、プロのハンドドリップコーヒーを再現できるのです。
ポイントは、この仕組みによって、バリスタの職人技をIP(知財)化できること。データを売買するなど、コーヒーそのものだけでなく、その人しか知らないハンドドリップのノウハウを、収入源にできます。従来はバリスタ本人が提供できるサービスには限りがありましたが、Qofiiのマシンがあれば、地球の裏側でも、寝ている間でも、こだわりのコーヒーを淹れられるわけです。
これは、バリスタという仕事、ハンドドリップコーヒーという商品自体を変える可能性があります。お店で一杯ずつ丁寧に淹れる人もいるでしょうが、サービスの時間を新しいレシピ開発に費やし、IPの提供で活躍する人が現れるのではないでしょうか。そうなれば、バラエティ豊かなコーヒーが、たくさん世に出て、新しいカルチャーがうまれるはずです。
そして実はこのモデル、コーヒーに限ったことではありません。ラーメンやカレーなど、より複雑な食品でも、早晩似たようなことができるようになるでしょう(調理家電などでもうできている!?)。食品以外にも、例えばこのメルマガを書いている文章の職人技だって、生成AIを介して、IPとして流通させることができるかもしれません。
職人技を取引可能な商品にして、誰でも活用し、収入にできる世界。悪くなさそうです!
Qofii
人気バリスタの技をデジタルレシピ化、ハンドドリップコーヒービジネスをスケールさせる「Qofii」
株式会社シーティーイーは、企業がつくる雑誌「コーポレートマガジン」を推進します。
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