top of page

terra°ce lab

  • 小越 建典

データ分権化時代がやってくる


AiOnlc

次世代のコンピューター技術として、注目される「エッジ」コンピューティングをご存知でしょうか?

今、AIをはじめ高度なITサービスは、多くが「クラウド」で提供されます。例えば、あのChatGPTはユーザーのスマホやパソコンなどの端末で動いているわけではなく、どこかの巨大なサーバーに搭載されたAIが文章を生成し、インターネットによる通信を介してサービスを提供しています(クラウドAI)。

 

一方「エッジ」は物理的にユーザーの近く=端末を指します。インターネットを介さず、それぞれの端末に内蔵されたAIがデータを分散的に処理する仕組みです。

 

例えば、自動運転システムには車載の「エッジAI」が活用されています。

クラウドAIは高度な処理が可能な反面、通信のやりとりが必要なのでタイムラグが生じます。自動運転でクラウドの応答を待っていたら、事故になってしまうので、エッジを使うしかないのです。

 

今回ここで紹介するアーキテック社は、エッジAIのハードウェアの会社です。それも、現状で流通するエッジAIよりずっとコンパクトな、1.2×1.2cmのAIチップ「AiOnIc」を開発しています。しかも1つあたり、1〜2万円と安い!

これなら、自動車どころか自転車にも搭載できます。自動運転まではいかずとも、AIが子どもの飛び出しや視覚障がい者など、事故のリスクを予測して知らせるくらいは十分可能。

 

さらに、カメラや照明、信号機、自動販売機にサイネージなど、あらゆる端末にチップを仕込んで、無人で事故や事件の予兆を察知したり、交通をコントロールして渋滞解消するなど、街を丸ごとAI化する可能性を秘めています。

それだけたくさんリアルのデータを集め、処理するのはクラウドでは非現実的。エッジAIを管理する企業や自治体、場合により個人がデータを扱うことになります。

 

クラウドで覇権を握るGAFAのような巨大IT企業に、富とデータが集中する仕組みそのものが変わります。データの権利は分散し、さまざまなプレイヤーがデータ活用に参入、ビジネスや社会課題の解決に取り組むようになるはずです。

年末年始、「データ分権化」時代に向けたアイデアを、構想してみてはいかがでしょうか?

 

ArchiTek


 

株式会社シーティーイーは、企業がつくる雑誌「コーポレートマガジン」を推進します。

詳しくはこちらまで。

最新記事

bottom of page