top of page

terra°ce lab

  • 小越 建典

太陽光発電のゲームチェンジャー


ペロブスカイト

鉱物の一種であり、特定の結晶構造を持つ化合物の総称「ペロブスカイト」が、電力供給に革新を起こす素材として期待されています。材料を「塗布」や「印刷」で製造できるペロブスカイト太陽光電池が、実用化に近づいているのです。 ペロブスカイト太陽光電池は、柔軟でゆがみに強く、軽量なので、さまざまなデバイスへ組み込むことが可能です。また、レアメタルや貴金属を使わず、時間あたりの生産量が多いので、コストが低いのもメリットです。発電性能も上がっており、従来のシリコン太陽光電池に匹敵する効率に迫っています。 実用化への課題は、温度や水分といった外的要因に影響を受けやすく、劣化を防ぐのが難しいこと。しかし、解決したときのインパクトは大きく、国や複数の企業が実用化に取り組んでいます。 例えば積水化学工業は、コーティングで耐久性を高めたフィルム型ペロブスカイト太陽電池を開発しています。この4月には、NTTデータと共同で、建物の「外壁」に設置する実証実験を開始することを発表しました。 従来は、一定の条件を満たした屋根などにしか、設置できなかった太陽光電池を、フィルム型なら壁面にも設置できます。前述の通り低コストで、さらに施工も簡単なので、導入のハードルが下がります。ペロブスカイトは太陽光発電の総量を、一気に増やす可能性があるわけです。 ほかにも、窓ガラスやカーテンウォールなどに組み込んで、それ自体がエネルギーを生み出すような建物をつくったり、電気自動車やドローンに組み込んで航続距離を伸ばすなど、新たな市場をうむ可能性があります。ペロブスカイトは、まさにゲームチェンジャーになり得る未来の素材なのです。 ”ペロブスカイト太陽光電池”とは? https://www.aist.go.jp/aist_j/magazine/20221124.html 国内初、ペロブスカイト太陽電池を建物外壁に設置した実証実験開始 https://www.sekisui.co.jp/news/2023/1384297_40075.html

 

株式会社シーティーイーは、企業がつくる雑誌「コーポレートマガジン」を推進します。

詳しくはこちらまで。

最新記事

bottom of page