スペースXの巨大ロケットが打ち上げに失敗したり、日本のispaceが民間初の月面着陸を成功させたりと、宇宙関連のニュースが続いています。それほど派手ではないかもしれないけれど、とても重要でビッグな宇宙ビジネスを営むスタートアップが、アストロスケールです。 同社は、宇宙のサステナビリティ(持続可能性)を実現する企業を自認しています。具体的に取り組む主要な課題は、「スペースデブリ=宇宙ゴミ」です。 同社によれば、現在、地球の周りの軌道上にある人工衛星は5000機以上で、うち稼働しているのは2000機弱。残りの3000機以上はもちろん、その破片などが小さなデブリとなって、無数に飛び交っています。1cm以下の細かいものを含めると、その数なんと13億個。 小さくても、時速2万8000kmもの猛スピードで動いています。このままデブリが増え続ければ、宇宙で何をするにも危険な状態に。実際、人工衛星や宇宙ステーションと衝突したり、地上に落下したりと、事故も起こっています。 だからこそ、ビジネスが大きい! 安全安心な軌道の環境は、宇宙で何をするにも基盤となります。しかも、これまで政府主導だった宇宙開発は、冒頭のニュースでもわかるように、今後は主役が民間に移り市場が拡大していくタイミングです。 同社は2021年、民間初のデブリ除去技術実証衛星ELSA-dを打ち上げ、デブリ捕獲などのミッションに成功しています。2023年には、JAXAとの契約を受けて衛星「ADRAS-J」を打ち上げ、放置されたロケットの損傷や劣化を調査する世界初のミッションを試みます。 宇宙ベンチャーが続々と参入するなかでも、アストロスケールは累計約435億円となる巨額の資金調達を行うなど、非常に注目度の高い企業。宇宙経済の発展に欠かせない、極めて重要なプレイヤーになりそうです。 ●アストロスケール https://astroscale.com/
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