山口亜祐さんが創業したLINDA PESAは、アフリカの中小事業者向けに経営管理アプリを提供するスタートアップ。販売情報を記録するPOSと会計ソフトを組み合わせたような、シンプルなアプリです。スマホでQRコードを読み取り、そのまま会計ソフトに記録します。
なぜ、21世紀のアフリカでそれが必要なのか?
現地では、日本のコンビニやスーパーで当たり前の販売管理システムが整備されていません。多くは手書きの台帳で管理するのですが、この状態では在庫管理が非常にあいまい。ミスが避けられないだけでなく、売上を記帳せず店員がキックバックをもらうなど、不正の原因になります。
こんな不透明な会計では、取引先や金融機関からの信用が得られません。山口さん自身、地元の企業と取引したくてもできない、という経験があると言います。また、本当は十分に利益を出し、返済できる力があっても、ほとんどの中小事業者が金融にアクセスできないのです。
LINDA PESAのシンプルな仕組みがあれば、オーナーが店にいなくても、ミスや不正を防ぎ、会計をクリアにして、信用力を可視化することができます。同社はデータに基づく与信や、融資などのマイクロファイナンスもサービス化しています。
融資や投資といった金融サービスの意義は、未来の可能性を先取りできることです。私たちは個人でも、お金を借りて学校にいったり、投資を受けて事業を興し、更に可能性を広げることができますが、世界には、能力と情熱があっても、それができない人たちがいます。これは、現在の境遇以上の格差です。
ただ、ギャップが大きいからこそ、社会課題を解決する上でも、ビジネスの面でも大きなチャンスがあります。「最後のフロンティア」と呼ばれるアフリカは、またとない事業の舞台ではないでしょうか。
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