脱炭素が世界的な課題となる中、気候テック(クライメイトテック)が注目されています。製造時にもCO2を排出しないグリーン水素、企業、個人のカーボンオフセット支援、畜産の環境負荷を低減する代替肉など、アプローチはさまざまです。 そんななかで、ユニークで先進的な取り組みを行っているのが、米国のリビングカーボン社。なんと"CO2の回収と貯蔵能力が強化された植物"を開発しています。 植物は光合成を行うことで、空気中のCO2を吸収して酸素を排出しています。同社は、樹木の遺伝子を操作して、「光合成強化特性」を組み込み、早く成長し多くのCO2を吸収できる植物を作ったのです。同社によれば、遺伝子操作されたポプラの木は、従来より53%多くの炭素を保存したと言います。 テクノロジーもさることながら、興味深いのがビジネスモデル。CNET Japanによれば、同社は土地所有者に無料、あるいは原価で強化された樹木を提供し、カーボンクレジットの売却で収益を上げ、一部を土地所有者に還元すると言います。 人間に都合よく植物の特性を変えてしまうテクノロジー、CO2の排出までお金で換算してしまう経済合理性、(どちらも人間が行ってきたことではあるけれど)これからの社会を考えるヒントに満ちたビジネスストーリーです。 リビングカーボン社 https://www.livingcarbon.com/ 遺伝子操作で多くの炭素を取り込む樹木を開発--米Living Carbonの取り組み https://japan.cnet.com/article/35190283/
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