👟靴磨き その先へ
- 藤田 陽司
- 2024年3月27日
- 読了時間: 3分
先日、株式会社村井が開催した「靴磨きイベント」に参加しました。「靴磨き」という一見面倒な行為を、最高にカッコいい職業まで引き上げた長谷川裕也氏の貴重なお話しを聞くことができました。
長谷川さんは、「AIや3Dプリンターなどで簡単に成果物が出来てしまう現代だからこそ、靴磨きのようなプロセスに価値を見出し、丁寧に行うことこそに意味がある」と言ってました。私は膝を打つ思いで、圧倒的共感を持った次第です。

靴をキレイに保つという成果・効能を求めて生産性を考えたとき、どのようなことが思い浮かびますか?・瞬時に汚れを落とせるスプレーやペーパー・汚れても目立たないデザインの靴・そもそも汚れない靴効率を上げる=生産性を高めるという思想から生まれたこういった商品の流れの先に、AIやロボティクスがあります。
ただ効率を上げるだけが生産性を高めるというわけではないことが、長谷川さんの仕事や言葉からわかります。とってもビジネス的に言ってしまうと、アナログなプロセスを価値として考え、価値を高めることを追求していくこと自体が商品・サービスとなり得る、ということです。
例えば音楽を奏でること。いまはAIが演奏するどころか、作曲も当たり前にできます。BGMとして求められる効能としては「気がまぎれる」「集中できる」など。そう考えるとAIの音楽で良い場面はいくらでもあるでしょう。
でも人間はメロディを作ったり、音楽を奏でるといったプロセスをやめることはありません。もちろん、その奏でられる音楽を聴くことも、効能を得るためのプロセスです。
他にも、絵を描く、その描かれた絵を見ること。酒を醸し、その醸された酒を飲むこと。
本来の効能を得ることも大事ですが、プロセスこそ新たな可能性があることに気づいた次第です。
特に日本酒造りにおいて、酒造りのプロセスを開示することは味わいを深める重要なポイントで、飲む人にプロセスを知ってもらうことでより愛される酒となることは珍しいことではなくなりました。
私たちの普段行なっている制作業も、「BtoBの受託で生産性を考えると、効率追求1点勝負で、とにかくAIやDX化にどんどん置き換えていくべきなのでは?」と考えがちですが、「プロセス」を注意深く観察し、解像度を高めることで見えてくる新たな世界がある、と気づきました。
長くなりそうなので、続きはまた今度。
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