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  • 小越 建典

「ほぼ全員が辞める」女性の働き方を変える話 前編

出産後に待つ運命


ネイリスト

小さい頃から、 「手でつくる」ことが 好きだった。

 

得意科目は図画工作。

デザイン画や工作の賞もたびたび獲得した。

 

「ネイリストは 自分のための職業だ」

 

安藤トモコはそれほど、 ネイルの仕事が好きだった。

 

ネイルは仕事にも生活にも、絶対に必要なものではないけれど、、、

丁寧に、気持ちをこめてつくると、 お客様の気持ちが少しだけ上がるのを肌で感じられる。

 

一方で、ネイリストの仕事は、はかない。

 

ほぼ全員が女性で、ほぼ全員が出産を機に現場を去る。

 

ネイルサロンは時間や曜日により オン/オフの差が激しい。

ピークは平日夕方や土日だが、その子どもを預けづらく、現場に入れないママネイリストの需要は極めて少ないのだ。

 

幸い安藤は、勤め先の理解もあり、 一度は産休を経て復帰も叶ったが、

 

「ネイリストの働き方を増やせないか」

 

ずっと考えてきた。

 

会社でマネージャーになってからはそのための体制づくりにも 積極的に関わってきた。

 

そして二度目の産休を経て、永遠の課題を自ら変えるチャンスに出会う。

 


暗闇の中の希望

 

2020年5月、 

二度目の産休はもうすぐ開けるが、 どうやら職場復帰は延期されそうだ。

 

東京はコロナ禍の緊急事態宣言下にあり、 ネイルサロンは休業要請を受けていたからだ。

 

「いつサロンが開けられるのか」

「開けたらお客様は戻ってくるのか」

「それまで会社は持ちこたえられるのか」

「自分は、仲間たちは、ネイリストを続けられるのか」

 

不安は大きくなる一方。

 

そんなとき安藤が小さな希望を見出したのが、ハンドメイドのアクセサリーだ。

 

休業中に趣味の延長ではじめたが、 細かい作業はお手のもの。

すぐに、プロレベルの品物が つくれるようになった。

 

あるとき、安藤はピンとひらめいた。

 

これでネイリストの新しい働き方、 コロナ禍で傷んだ会社の事業に 貢献できるのではないか??

 

「自分の手で”かわいい”を提供する」 ネイリストの仕事と根本で共通し、 手先の技術やセンスがそのまま活きる。

 

サロンで手の空いたスタッフが製作し、売り出してはどうか?

 

経営者に提案すると、

 

「よしっ!商品をつくって、売ってみて」

 

と挑戦を後押ししてくれた。

 

 

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