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小越 建典

2025年にヒットする本は? cte.ベストセラー大予測会


突然ですが読者のみなさん、2024年に「一番売れた書籍」をご存知ですか? 取次大手の日販によれば、「変な家2 11の間取り図」(雨穴・飛鳥新社)です。

他にも大人も楽しめる絵本の「大ピンチずかん」(鈴木のりたけ)や青春小説の「成瀬は天下を取りにいく」(宮島未奈)などのシリーズがベストセラーになりました。ビジネス書では「頭のいい人が話す前に考えていること」(安達裕哉)が、2年連続で1位でした。

果たして今年はどんなベストセラーがうまれるのか? ライターの小越がcte.の藤田、近藤、山崎と「2025年に売れる本」を考えてみました。


ビッグイベント絡みの本は誰にもチャンス


小越:2025年のイベントと言えば、何と言っても3〜9月の大阪・関西万博ですよね。万博関連本は売れるでしょう。

作り手の目線で言えば、イベントに絡めたコンテンツは、専門知識の蓄積などがさほど関係なく、みんな横一線でスタートできます。ライバルは多いですが、徹底的に調査・レポートして、速攻でコンテンツを作れば、情報量とスピードで勝負できると思います。紙やPDFのガイドを作ってもよいですが、電子版にしてリンクを張ったり、情報をアップデートできるようにしておくと面白そうです。

藤田:「万博オタク」みたいな人は、イベントが始まるまでいないわけですからね。誰かがそうなるはずで、誰にでもチャンスがあると。cte.の誰かがやってもいいわけですよね。

小越:はい。開幕と同時に2週間くらい毎日通ってがんばれば、いち早くポジションを取れる可能性があります。万博はビッグイベントですから、そうなるとSNSが盛り上がったり、メディアに取材されたりと、インパクトは大きいですね。コンテンツが売れるのもそうですが、本人や会社の知名度を上げたり、その結果サービスを受注したり、と副次的な効果のほうが大きいかもしれません。


懐かしさに勝るものはない


近藤:小ネタですが、社長の藤田と私は同い年なのです(笑)昭和48年生まれ、今年52歳になります(キリッ)第2次ベビーブーム世代なので世代人口が多い。ズバリこの世代に向けた「昭和48年生まれ」の本は、売れるんじゃないかと思っています。

生まれ年の社会や事件、学生時代に流行った歌やファッション、おもちゃ、バブルや就職氷河期のことなど、振り返る内容です。団塊ジュニアで人数がすごく多い世代なんですが、自分の生まれ年がピンポイントで出ていると手に取りたくなるんじゃないかと。

藤田:千代の富士引退とか、卒業アルバムによく入っているやつね(笑)

いいですね。 これも当社が挑戦できるところですね。

「昭和50年男」「昭和45年女」といった雑誌(ムック)はよく見かけますね。それらよりも少し内容を充実させれば、十分に勝算がありそう。雑誌じゃなくて、300ページ以上の保存版だと、新しいコンテンツになるでしょう。

小越:素晴らしいと思います。落合陽一さんが「大人は懐かしさに勝てない」と言っていました。「時代の進行速度は低下しているので「こんな古い曲じゃ時代遅れだよ!」ってフレーズはとっくに成立しなくなって「もっと時代に合わせて懐かしい感じに! 斬新なことをしてはダメだよ!」ってのがコンテンツの中心である」と。

まさに「昭和48年生まれ」の本は、抗いがたい懐かしさのニーズに応えますよね。


「短尺時代」にハマる本は?


山崎:私は「短歌」の本が売れるんじゃないかと思います。

最近、書店にいくと、なんだか薄い本が多いな、って感じるんです。20〜30分で読めそうなものばかりな気がしていて、みんな文字を読みたくないんだろうな、と。私は分厚い本を読み切った達成感が嫌いではないので、よけいに気になるのかもしれませんが…。

でも、音楽も短いフレーズが流行っている気がするし、TikTokとかYouTubeとか動画も短尺なものが拡散しますよね。それを、文学に当てはめると、三十一文字で完結する短歌なんじゃないかと。時代はすごいスピードで変わっていますから、現代の感覚に合った歌人を発掘して、歌集を出したら売れるんじゃないかと。

藤田:確かに!

小越:確かに短歌は文字数が少ないのですが、その奥に世界が広がっていて、短いからこそ解釈次第で味わいが変わりますよね。鑑賞のポイントをわかりやすく伝えるなど、編集でうまくサポートすると良いコンテンツになりそうです。

藤田:必ずしも2025年に、というわけではないですが、私は「日本語」の本をつくってみたいと思います。当たり前のように使っているけれど、よく意味がわからず使っていたり、誤用していることばって、結構ありますよね。

小越:そうですね。私もそこには関心があって、国語学者の解説を図解する連載を持っていました。

当時Adoさんの楽曲が流行していた「うっせえわ」を解説したら、ヒットコンテンツになりましたよ。



ベストセラー

さんたつ「「うっせぇわ」を国語学者が分析したらこうなった! 日本語の面白さを凝縮したワンフレーズに目からウロコ」より


藤田:そうそう、そういうの! 売れると思う!!

小越:そうですか? 書籍化してみようかな…。

藤田:今回は「売れるコンテンツ」に対して、それぞれの視点があって、おもしろかったですね。

小越:はい。2025年は、cte.で一冊つくるというのも、いいチャレンジだと思います!どれもしっかり掘り下げて、オリジナリティを追求していけば、商業出版されるようなコンテンツになりそうです。


 

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