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酒造りからビジネスを学ぶ

小越 建典


今回は、代表の藤田陽司が体験した酒造りのレポートをお届けします。


cte.は組版、制作編集、システム開発を主力事業としながら、日本酒事業を進めております。

これまで培ってきたクリエイティブの強みを活かし、我が国が世界に誇る日本酒文化を深く掘り下げ、広く紹介していく取り組みです。


日本酒事業を開始したのは、そもそも社員からの企画提案にありました。社員からの日本酒×落語のイベント企画をきっかけに藤田が日本酒の味はもちろん、その深淵な世界にのめりこみ、国際唎酒師の資格を取得しました。2024年には子会社にて酒販免許を取得し、事業をスタートしています。


藤田はこの年末より週末を利用して福島の喜多方に通い、酒造りを体験しています。

これは、喜多方市の公民館が一般向けに主催するイベントで、3カ月かけてひととおりの工程を体験するというかなり本格的なプログラム。

市内の酒蔵数蔵から参加者が希望する体験先を選べるのですが、藤田は大和川酒造店さんにお世話になりました。


大和川酒造は創業200年余り、喜多方を代表する酒蔵で、東京にはなかなか出回らない「弥右衛門(やうえもん)」という銘酒をつくっています。

どんな料理にも合う素直な味わいと、自社で酒米をつくり、精米から行うというこだわりにに惹かれました。

自社精米を行う酒蔵は、この大和川酒造や泉橋酒造など、日本でも数社しかありません。


日本酒は、玄米を精米して蒸し、麹と酵母を加え、糖化・発酵させてつくります。

というと、ごくシンプルに思われるかもしれませんが、そこには数々の工程と、繊細な作業が入ります。「例えば、精米した米に水を浸す工程では、グラム単位で重さを測り、秒単位で浸水を管理します。ここまで繊細に水分量を調整しているのには、驚いた」(藤田)。


数々の日本酒を味わい、酒造りの工程も見学してきた藤田ですが、3カ月の長期間にわたって、蔵元の間近で酒が育っていくさまを見ると、色々と感じるものがあったようです。


「プロセスの大切さを再認識した。『和醸良酒』(造り手の和の精神によって良酒が生まれ、その良酒によって人々の和がもたらされる)というが、人柄や生き様、取り組む姿勢が、(成果としての)酒にあらわれるのがよく分かる。それにしても、蔵元と一緒に飲む酒は美味い!」


藤田はビジネスにおいても、日頃からプロセスの重要性を語っています。テクノロジーが急速に進化し、仕事を代替している昨今、成果物としての商品やサービスは、ますます均質化していきます。組版をはじめとするcte.のビジネスは、特にその難しさに直面する分野です。


他方、ビジネスが人と人の営みであることは変わりありません。相手を思いやったり、気持ちよくコミュニケーションをとるなど、目に見えづらいプロセスが、相対的に価値を増していくはず。大和川酒造店さんでの酒造りは、そんな経営者としての感覚を、理屈を超えて理解させてくれたのでした。


現在、絞りやろ過など大詰めの工程が終わり、いよいよ完成を待つのみとなっています。藤田は自分の酒を「陽右衛門(ようえもん)」と名付け、cte.のメンバーがオリジナルラベルを制作しています。


改めて、てらすラボでご報告させていただきます!


 

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