「銀座に、気になる本屋があるんです」
- 小越 建典
- 4月2日
- 読了時間: 3分

「銀座に気になる本屋があるんです」と、cte.のデザイナー山崎が企画会議でひとこと。彼女は、街で本屋をみつければふらっと入り、1〜2時間過ごすこともある書店マニア。これはおもしろそうだ!と、勉強とリサーチを兼ねて、銀ぶら(銀座をぶらぶら散歩)してきました。
1週間に1冊だけ売る書店

見出しの通り、森岡書店さんはとてもユニークな本屋さんです。店主で文筆家の森岡督行さんが、その週に売る1冊を厳選。関連するアイテム(本以外の)と一緒に、展示販売しています。
お邪魔した週の書籍は、石川のセレクトショップ「フェートン」の店主・坂矢悠詞人さんによる蒐集記録(フォトブックのような体裁)。本は正真正銘、この一冊のみです。ほか、坂矢さんのコレクションであろう、卓上ライトや塗りの弁当箱の実物が販売されていました。
雑居ビルの一階の小さな部屋は、「書店」というより、ギャラリーのような趣でした。居合わせた店員さんいわく、ファッションに関する本を販売する週には、アパレルショップのような空間になることもあるそうです。一冊の本を中心に、広がる世界を表現しているのですね。おもしろい!
今回拝見したフォトブックは1万9800円と、そのものが美術品のような一冊でしたが、1000〜2000円で市販されているふつうの本で、同じことをやってもおもしろそうです。
例えば、ビジネス書コンシェルジュが、今読むべき1冊を厳選し、関連するアイテムやWebサービスなどを展示販売する。お酒が飲めて、店員や他のお客と、本の話題で盛り上がったりできたら、素敵な空間になるんじゃないでしょうか。


障害者アートのギャラリー&ショップ

続いて、筆者が気になっていた「HERALBONY LABORATORY GINZA」に伺いました。HERALBONY(ヘラルボニー)さんは、数々のピッチコンテストで受賞するベンチャー企業で、以前から注目していました。今年3月、都内初の常設店舗が、銀座にオープンしたのです。
知的障害のある作家の作品をIPとして管理、企画・編集して、マネタイズするのが同社のビジネスモデル。ラボでは絵画や、それらをデザインにしたアパレル商品が展示販売されています。最近、石破総理が着けて話題になったネクタイも売っていました。
色彩豊かな絵画も。カンボジアの世界遺産「アンコール・トム」を描いています(衣笠泰介)。石造建築をこんな風に描くなんて、「マジカルとも評される色彩感覚と感受性」(解説より)と言われるのも納得です。

障害者を「障害」ではなく「異彩」を持つ人と定義し、「支援」や「貢献」の文脈ではなく、「ほしいから買う」消費行動をつくるのが同社のビジョン。自分でプロデュースすることは難しいかもしれませんが、多くの人が認める価値を作家たちは提供していることが、よくわかります。
そのために、日本の職人と障害のあるアーティストを掛け合わせた商品づくり、アートによる商業施設のプロデュース、商品パッケージのデザイン、まちづくりでのアート活用といった手法で、課題解決に取り組んでいます。ビジネスパーソンとして、勇気が出てきます。
たまには、仕事の視点を持ちながら、オフィスを出て街歩きするのもよいですね。
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