「気分がいい」を尖らせよう
- 小越 建典

- 6月11日
- 読了時間: 4分
更新日:6月26日

Googleマップと雑誌の間には、「情報のギャップ」があります。
例えば、雑誌を見て「あ、いいお店だな」と思いGoogleマップで検索する、そのひと手間。
もしくは、Google検索で良さそうなお店を見つけて予約したあと、雑誌で近場のもっと良さげなお店を見つけたとき。
なんだか、そのちょっとしたことでも、「もっと気持ちよい探し方があるのでは」と残念に思ったりします。
コンビニや書店で目を惹く雑誌「BRUTUS(ブルータス)」が地図アプリを作りました。きっと、みんなが無意識に不便だと感じている雑誌とGoogleマップの間に横たわる「情報のギャップ」を埋めようと、企画されたはず。
弊社のパーパス「コミュニケーションのギャップをなくす」と勝手に共鳴しております(笑)
ですので、是非応援したいと(勝手に)思っています。
BRUTUSは1980年代に創刊された隔週発売のポップカルチャー誌です。
1号1テーマでオリジナルの特集を組み、例えば直近の特集は
「珍奇植物」
「中華な気持ち。」
「春に欲しい、大人の服」
「全国民に贈るサザンオールスターズ特集」
とかなり幅広。
出版不況と言われて久しい中で、45年も雑誌が続くのはスゴいことです。
90年代サブカルが好きだった50代のおじさま達は、BRUTUSファンが多いんじゃないですか?
私も現役50代サブカル好きですので、たまに買いますよ。
BRUTUSって、不思議なことに、買うと気分が良くなるんですよ。
オシャレなスニーカーやシャツをゲットした時の気分の良さ。表紙の紙の質感もいい。
書店で手にとってレジに持っていくだけで、自分も雑誌が醸すカルチャーの中に入り込んだ感じがしてハッピーになれる。
1ページ1ページがデザイン凝っているので、ページをめくっていて気持ちいい。ワクワクする。
まったく、オシャレなプロダクトは心を平和にします。
そして肝心のコンテンツも、自分が知らない、背伸びすれば届きそうな世界観が広がっている。特集ごとにデザインが変わって、ページを開くたびに楽しくなる感覚もあります。
まったく、BRUTUSは素晴らしい。
そんなBRUTUSだから、「BRUTUS Mapzine」というスマホアプリをリリースすることは大歓迎、応援したいと思うわけです。
アプリの内容は、過去にBRUTUSが掲載した街のスポットとその記事を、地図アプリ上で表示するというシンプルなもの。シンプルだけに使いやすい。
飲食店を中心に、BRUTUSらしくアパレルショップやライブハウス、ミュージアムなども検索できます。
情報の量や多様性はWebサイトやSNSが圧倒的ですから、BRUTUSが目利きとして編集している、BRUTUSの世界観がスマホアプリで体験できる、それがこのアプリの価値でしょう。実際にアプリを開いてみると、情報はかなり絞られ、「選びきれない」問題は起こりません。BRUTUSが過去に紹介した、という保証があるので、失敗はしないでしょう。
そんな実利面だけでなく、なによりBRUTUSの世界観に浸れることが気分良し。スポット情報を開くと、BRUTUSらしい洒落た写真と小気味よいリズムの文章が味わえます。マップを眺めているだけで、「編集部はここに注目したのか!」と街の見方が変わったりします。
雑誌を手に取るような「気分の良さ」が、アプリでも再現されるよう配慮されているように思います。これからの時代、SNSや生成AIと、便利な情報はほうっておいても増えるでしょう、情報を追求するなら彼らに任せましょう。私たちは「良い気分」であることが大切です。気分は脳波の微弱電波として、他者にもいい悪いを別にして、影響を及ぼします。
「好き」を明確にし、世界観に浸り、応援すること。これが大事です。みんな「好き」を言い合いましょう。
今後、こういった独自の世界観を持つほかの雑誌もアプリを作り、それぞれのブランドを掛け合わせることで、全く新しい体験が提供できるのかもしれません。
BRUTUSだけでなく、オズマガジン、散歩の達人、東京カレンダーなども参戦してほしい。それぞれの編集部目線で街歩きをすれば、偶然の出会いや、今までにない発見が増えそうです。今回このプラットフォームを開発元のwhitemap社にはぜひ水平展開してほしいです。雑誌が持つアセットを活用したMAPZINE、広がるといいなあ。
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