cte.デザイン談義〜最新トレンドから心の師まで
- 小越 建典
- 6月25日
- 読了時間: 3分
常に変化するデザインのトレンドをどのように捉えるか。フォントの使い方、色彩の傾向、AIツールの影響まで、cte.のデザイナー梅林と山崎が、現場感覚で語り合いました。聞き手はライターの小越です。
細めのフォントで贅沢にスペースを使う
小越:最近、気になっているデザインの傾向などはありますか?
梅林:シンプルかつ大胆なデザインが増えてきている気がします。少し前には、太い文字でスペースいっぱいに主張するような、インパクトのあるデザインが多かったですが、少し傾向が変わっているように感じます。
小越:太い文字でインパクト、というとYouTubeのサムネイルみたいなやつですか?
梅林:そうです。YouTubeの場合は、アプリ上で注意を引きつけてクリックさせる、という目的が同じなので、サムネイルはみんな似てきてしまうんですね。
小越:では、シンプル化しているというのは、その反動かもしれませんね。
梅林:そうかもしれません。細いフォントを使って、スペースを大きく空ける表現が増えてきた印象です。
AIの影響で複雑なカラーが波及
山崎:私は多色のグラデーションが増えた印象があります。
梅林:確かによく見ますね。
山崎:以前は、一色ベタ塗りのフラットな感じが主流でしたが、複雑な色合いがよく使われるようになりました。理由はさまざまあるでしょうが、白い背景によく映えるんですよね。
梅林:Adobe Stockなどの素材サイトでも、複雑で抽象的なものが増えています。たぶん、AIの影響は大きいでしょうね。手作業で多色のグラデーションを、かっこよくつくるのは、結構手間がかかるんです。
小越:AIでデザインの幅が広がるのは間違いありませんね。
梅林:「こんなの誰が使うんだ?」と言いたくなるような、奇抜な素材を見かけることも多くなりました。そういうところから、触発されたデザイナーが、新しい表現に挑戦するようになるのでしょう。
マネできるようでできない達人の技
小越:おふたりは、参考にしているデザイナーや、媒体などはあるのですか?
梅林:私は、アートディレクターの木村裕治さんにあこがれて、マネをしたいと思ってきました。雑誌や書籍、新聞などのエディトリアルデザインを得意としており、私の分野の大先輩です。
先ほどの最近の傾向と重なりますが、すごく大胆なデザインが特徴で、特に文字をかっこよく使うので、参考にさせてもらっています。要素が少なくシンプルなので、マネできそうだと思ってしまうのですが、やってみるととても難しいんです。
小越:どうしてマネできないんでしょう?
梅林:それがわかれば、私にも木村さんのようなデザインができていますね(笑)。ひとつひとつのアイテムは、マネできるんですよ。でも、バランスなのか、組み合わせなのか、他のセンスなのか、同じようにはとてもできません。
小越:おおっ、奥が深いですね。木村デザイン事務所のWebサイトに作品が載っているので、読者のみなさんにもぜひチェックしてほしいですね。
ちょっとした遊び心が読む気にさせる
山崎:私はNewsPicksのデザインをよく参考にします。文字やイラストに遊び心があって良いんですよね。
小越:例えばどんなふうに?
山崎:「メッシでも4回に1回は外す「PK失敗」の科学」という記事のバナーでは、「外」をサッカーボールにみたて、ゴールを大きく外しているような表現をしていました。

小越:なるほど、こういうことですね。おもしろい! 山崎さんもバナーはよくつくっていますが、terrace labのバナーは、ぼくもよく参考にさせてもらっています。
確かに山崎さんのバナーにも、遊び心があります。読者のみなさんも、ぜひご覧になってください!
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