事例に学ぶ「質より量」の成功法則3選
- 小越 建典

- 3 日前
- 読了時間: 5分
成功法則の本は山ほどある。読むたびに「なるほど」と思う。でも、なぜか行動は変わらない。そんな経験はありませんか?
大事なのは、自分が「ハラオチ」しているかどうか、じゃないかなと思います。そのためには、生きた事例に触れることが一番の近道ではないでしょうか。
今回はピカソ、スタートアップのヘラルボニー、菊池雄星選手、まったくジャンルの異なる三つの事例から、成功の本質を考えてみます。個人の視点にフォーカスしていますが、マネジメントやマーケティングの面でもきっと参考になるはずです。
1.とにかく打席に立つ~ピカソの事例
ピカソは生涯に15万点を超える作品を残したとされています。1日に平均すると、4〜5点を描き続けた計算です。
もちろん、彼に並外れた才能があったことは疑いようがありません。しかしその才能は、最初から輝いていたわけではなさそうです。膨大な量を描き続けるなかで、少しずつ研ぎ澄まされ、発見されていったものなのでしょう。才能が多作を生んだのではなく、多作が才能を掘り起こした。そういう順番だったのだと思います。
「量より質」か、「質より量」か。難しいところですが、ピカソのエピソードを聞く限り、質は量を重ねた先にしか顔を出さない、と言えそうです。そしてその量の大半は、成功ではなく失敗で構成されています。アウトプットして、たいがいはあまり良くないフィードバックを受け取って、またアウトプットする。そのサイクルを高速で回すということは、同時に失敗を高速で積み重ねることでもあります。
「成功の道を探す」のは、霧の中を手探りで歩くようなものです。失敗を恐れず、一切の躊躇なく、アウトプットすることが、霧を晴らす唯一の方法だ! と信じつつ、今日も打席に立ちたいと思います。
2.続けられることをする~ヘラルボニーの事例
「継続は力なり」と言われます。もとより量をこなすには、継続が不可欠です。
多くの人は、「儲かる」とか「モテる」とか、「名誉がある」とか、すでに価値があると分かっていることを、強い意志を持って続けようとします。学校の勉強をがんばったり、スポーツ選手が苦しいトレーニングを乗り越えたり、経営者が必死で営業したり…それで成功した人はたくさんいるでしょう。
でも、反対の見方もあると思っています。「頑張らなくても続いてしまうこと」を、世の中的な価値に結びつけてしまう方法です。
知的障害のある人の作品を、デザインやアートとして商品化しているヘラルボニーは、その好例です。アーティストの小林覚さんは、文字や数字をひたすらつなげて描き続けるという癖があったそうです。ヘラルボニーは小林さんの絵をネクタイとしてデザイン化。落書きと思われていたものから、2万円を超えるプロダクトを作り上げ、たくさんの人に販売しました。
「頑張らなくても続いてしまうこと」のうち、特に経済的価値と結びつくものが「才能」などと呼ばれるのでしょう。結びついていないのは「もの好き」とか「癖」。でも、並べてみると、両者に本質的な違いはないように思えませんか?
価値なんて人が勝手に決めているだけです。役に立たないと思われていた「癖」でも、うまく文脈を設計し、戦う場所を選ぶことで「才能」になるはず。ビジネスとしても、個人の生き方としても、そういう戦略もありだな、とヘラルボニーを見ていて思います。
3.量はきっかけをつかむため~菊池雄星選手の事例
メジャーリーガーの菊池雄星選手は、高校時代に球速142キロから、一晩で最速152キロへと一気に跳ね上がったといいます。練習の中であるきっかけをつかんで、150キロの感覚を身につけたのです。
注目したいのは、152キロを投げる能力は、その前日からすでに身体の中にあったという点です。足りなかったのは能力ではなく、その能力を引き出す「感覚」だったと菊池選手は言っています。
菊池選手にとって、量を重ねる練習は、能力を積み上げるためではなく、すでに眠っている能力を覚醒させるきっかけを探すプロセスだったのです。「量が大事だが、量をこなせばうまくなると思っている選手より、きっかけをつかむために量をこなす、と考えている選手が伸びる」と言います。
きっかけ成長に対するイメージをがらりと変える話ではないでしょうか?
努力を重ねても結果が出ない時期は、能力が足りないのではなく、きっかけにまだ出会っていないだけかもしれない。だからこそ、量をこなす目的を「うまくなること」ではなく「きっかけをつかむこと」に設定し直すだけで、同じ練習がまったく違う意味を持ち始めます。
ただし、成長が止まったように感じる停滞期に差し掛かると、多くの人はやり方を変えたくなってしまいます。あと少し踏ん張ればきっかけをつかめたはずなのに、そこで手放してしまう。きっかけは、諦めずにやり抜く人のところに、やってくるのです。
まとめ
三つの事例に共通しているのは、「すぐに結果を求めない」という姿勢です。誰一人、近道を探していたわけではありません。
あなたが今、結果の出ない日々に焦りを感じているなら、それはむしろ正しい場所にいるサインかもしれません。じっとガマンしてやり抜けば、きっと良い結果が待っているでしょう。
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